里山の自然豊かな場所に建つU様邸。その風景に馴染むことをコンセプトに、片流れ屋根を抱く平屋の住まい「COVACO -コバコ-」を選ばれました。ベージュのガルバリウムに杉板張りがアクセント。「散歩に出かけた際、遠くから我が家を望むと里山の風景に調和していることを実感します」と、ご主人。

ー里山のこの場所に家を建てることを決めた理由は？

奥さま 土地を探すにあたり、大前提として、自然豊かな景色のいい場所が条件でした。あとは陶芸が趣味なので、そのための工房もつくりたくて、広い敷地も希望していました。

ご主人 ここはもともと古民家が建っていて、母屋のほかに納屋などがありました。この納屋を工房として利用できる、ということも決め手です。ここは田舎なので、土地の価格も理想的でしたね。

奥さま ネクストハウスデザインさんのことはホームページで知り、見学会に行ったことがきっかけです。私たちが求めていた木の家だったことに加え、デザインも好み。自然豊かな田舎に合う家が叶うと思いました。

ご主人 我が家のベースプランは「COVACO」。大きな片流れ屋根を抱く平屋が気に入って選びました。担当の溝延さんが描いてくれた我が家のイラストも印象的でしたね。そこには、豊かな自然を取り入れた暮らしの風景が描かれていて、心地よい暮らしのイメージがどんどん膨らみました。細かく仕様などを記した他社の設計図よりも説得力があったんです。

ー家づくりでこだわったことを教えてください。

奥さま 我が家の間取りは、最初に溝延さんが提案してくれたプランとほとんど同じ。里山の自然が一望できるLDKを中心に、夫婦別々のワークスペースを設けています。どちらの仕事部屋にも大きく切り取られた窓があり、仕事中もいつでも自然を望むことができます。

ご主人 リビングの延長のように使える大きなウッドデッキも我が家の特徴で、毎日大活躍のスペースです。1.5間という広さもぜいたくだなと感じています。

奥さま 家の外も内も、無垢の木をふんだんに取り入れたこともこだわりです。床だけでなく、天井も無垢材に。それに合わせて、キッチンも木で統一しています。

溝延 奥さまは素材にもこだわり持っていたので、その点も重視してインテリアを提案させてもらいました。

ご主人 溝延さんは簡単そうに決めていくのですが、こだわりが強い奥さんと意見がぴったり合うのはさすがだと思います。自分たちが求めているものをよく理解してくれていました。

奥さま ダイニングテーブルの照明も溝延さんの提案ですが、完璧です！家を建てたあとも「この照明いいよね」と、夫婦でよく言い合っています。毎日目にする生活空間は妥協できなくて、気に入ったものに囲まれていたいですね。

ーここで暮らし始めて２年とのことですが、どのような毎日を過ごしていますか？

奥さま 休日の朝は、ウッドデッキに座って自然に身を任せ、心をゆっくりゆるめることから始めます。ウグイスの声が聞こえてくると春が来たな、と。双眼鏡でバードウォッチングをすることも。トンビやカワセミを見かけたこともありますよ。それから近所のおいしいパン屋さんへ行き、焼きたてのパンを買って、デッキでブランチをするのが日課です。

ご主人 ウッドデッキのテーブルと椅子は基本的に出しっぱなしで、もうひとつのリビングのように使っています。ブランチをとったら、ハンモックで寝たり、ギターを弾いたり、遊びに来る猫と遊んだり…。

奥さま 裏山まで散歩に行き、季節の花を摘み、それを生ける時間も楽しみ。生け花教室に通っていたことがあるんですよ。クリスマスなどの特別な日には、母国であるポーランドの餃子を皮から手づくりすることも。作業台が広くて便利なので、手間がかかる料理も前向きな気持ちになれます。何かをするとき、そのプロセスも丁寧に楽しめるゆとりを持つことは大事ですね。

ご主人 ここにいると、休みだからといって特別どこかに行く必要も感じないんですよ。

奥さま コロナ禍の今は、ポーランドから帰国すると２週間自宅待機になるのですが、その間も毎日の生活はほとんど変わることがありません。しいて言えば、スーパーに買い物に行けないぐらい。仕事も在宅ワークなので、家にほとんどいますが、目の前の景色を見てひと息つくとリフレッシュできます。

ご主人 木の家も安らぎますね。四六時中、どこを見ても視界に入ってくるので、それも住み心地のよさに大きくつながっていると思います。

ー１年を通してとくに好きな季節はありますか？

奥さま 秋から冬にかけて、この家で過ごす時間が好きです。暑くなく虫が少ないこともありますが、秋は紅葉がキレイだし、冬は薪ストーブがあたたかくて心地いいです。夜寝る前に薪を入れておくと朝まであたたかくて、とても快適です。

ご主人 私も虫が大の苦手ではありますが、夏も好きですよ。ただ、庭仕事中に毛虫が首の後ろについたときはショックでしたね（笑）。家にいるときは、冬以外は窓を開けていることがほとんどで、夏も爽やかな風を感じながら過ごすことができます。ときには、風とともに花の香りが運ばれくることも。金木犀の季節はとくに好きですね。

奥さま 我が家はTVより、窓の外を眺めて過ごす事が多いです。初夏はホタルも飛んできますよ。イノシシもきますけど（笑）。

ご主人 いろんな意味で、この家だから生まれる唯一無二の時間を楽しんでいます。

ーこれからこの家で楽しみにしていることは？

ご主人 今、自宅の隣にある納屋を自分たちで工房に改装しています。溝延さんも床に断熱材を敷いた方がいい、など、いろいろアドバイスをくれるので助かっています。陶芸だけでなく、DIYのスペースとしても利用していく予定です。あと、ゆくゆくはここにも薪ストーブを入れたいな、と。

奥さま 念願の工房なので、これからはもっと陶芸に没頭できる時間をつくりたいです。自分たちで使うお皿や花瓶、雑貨などもつくっていますが、海外に住む友人からオーダーが入ることも。それにも応えられるといいですね。

ご主人 最近は造園も趣味に。この家の庭にはもともと木蓮や花水木、夏椿、金木犀などが植えられていて、四季折々の花が咲きます。それを活かしながら、小庭をつくったり、芝生を張ったり…。植物も暮らしも、この里山に根付くよう、自分たちの手でゆっくり育てていきたいです。

栃木県益子町U様ご夫婦と担当の溝延